#04 地域通貨を使って「複業」をはじめてみる
セッション4:地域通貨を使って「複業」をはじめてみる
10月30日(日) 11時00分〜12時30分
デジタルの時代が本格化した最近、各地で地域通貨ブームが起きようとしています。かつての地域通貨ブームと現在の地域通貨ブームは何が違うのでしょうか。デジタル時代の地域通貨にはどのような可能性があるのでしょうか。また、デジタル地域通貨を使うことで、これまでできなかった何ができるようになるのでしょうか。
地域の課題は数多くありますが、中でも重要なのは、コミュニティの人びとの持っている才能や個性を社会の中で生かし切れていないという点だと思います。逆に言えば、こうした眠っている才能や個性が、社会の中で存分に発揮されるようになれば、解決できる問題も幸せになる人びとも増えることでしょう。
「人生100年時代」を迎えるにあたって、「いつまでも学び続ける」「いつまでも自分の才能で社会に貢献し続ける(その結果感謝され、仕事としての収入も得ることができる)」「複数の仕事を持つ」ことが重要だと言われています。実は、こうしたニーズに最適なのが、デジタル地域通貨です。
本セッションでは、こうした問題意識を背景に、新しい働き方、特に「複業」といった視点から、デジタル地域通貨の持つ可能性について具体例を交えながら議論します。世界的にも最も成功した地域通貨の1つである飛騨高山の「さるぼぼコイン」の仕掛け人である古里圭史さんに、地域通貨の歴史と可能性、将来展望についてお話し頂いた上で、実際に「複業」を実践している登壇者と共に、「地域通貨を使った地域での才能の活かし方」について議論していきたいと思います。
【登壇者】
- 古里圭史(さるぼぼコイン仕掛け人・慶應義塾大学 特任准教授)
- 今関尚子(株式会社ウェブエイト シニアマネージャー)
- 西山勇太(Sweets & Suites 代表)
【ファシリテーター】
- 山下梓(非営利株式会社eumo)
古里圭史(ふるさと・けいし)
さるぼぼコイン仕掛け人。公認会計士、税理士。慶応義塾大学大学院政策・メディア研究科特任准教授。一般社団法人飛驒高山大学設立基金監事。
1979年生まれ。早稲田大学卒業。株式会社スクウェア・エニックスを経てデロイトトーマツグループの監査法人に入所。
2012年10月に地元、岐阜県飛騨・高山にUターンし、地域密着のコミュニティバンクである飛騨信用組合に入組。同組合において「育てる金融構想」を掲げ、クラウドファンディングや地域キャピタル会社の設立など、新しい金融手法を活用した資金供給の仕組み構築に注力。
2017年には電子地域通貨「さるぼぼコイン」を手掛け、ローンチから4年でユーザー数、加盟店数ともに地域シェア40%超のサービスに成長させる。
北海道上川郡東川町産業振興ファイナンスアドバイザー、岐阜県高山市SDGs推進アドバイザー、富山県南砺市政策参与など。
今関尚子(いまぜき・しょうこ)
株式会社ウェブエイト シニアマネージャー。ママフェスまつもと実行委員会共同代表。2022年度 一般社団法人松本青年会議所 国際出向者支援会議体 議長。
1982年、長野県松本市生まれ。専門学校卒業後、リゾート施設運営会社勤務を経て、株式会社リクルートに入社。
長野県全域において採用領域、ブライダル領域のコンサルティング営業を経験。その後、長野県東北信エリアにおいて子育てフリーペーパーの立ち上げに参画。創刊初年度から2,000人、5,000人規模の集客を実現したイベントの企画、設計を担当する。
クライアントの集客課題にさらに向き合うためにウェブマーケティングの知識と経験を求め、現在のウェブエイトに入社。ディレクターとしてウェブ施策のプランニング、クリエイティブ制作、集客施策の提案を行う。
また、市民団体「ママフェスまつもと」を仲間と立ち上げ、地域課題に向き合う企画に注力し、一般財団法人ブランド・マネージャー認定協会主催の2019年度ブランディング事例コンテスト奨励賞受賞。青年会議所でも活動し、常に「まち」と向き合う2児の母。
西山勇太(にしやま・ゆうた)
Sweets & Suites代表。NEC(日本電気株式会社)にて、複合商品・リカーリングビジネス企画を担当。
2020年「NEC未来創造会議プロジェクト」メンバーとして非営利株式会社eumoとの共同実証実験「GIFT & ACTION」を企画。社内外のコミュニティ創りを応援する活動を実施。
NECがダイバーシティーを推進し始めた2017年、社員有志で立ち上げた「対話会」に趣味のスイーツを差し入れるように。新型コロナウイルスの感染症のパンデミックによって「対話会」に制限がかかるようになったことをきっかけに、eumoの「加盟店」としてオーダーメイドのスイーツを作ってお届けする「Sweets & Suites」を立ち上げる。
注文は全国から相次ぎ、趣味のスイーツを生かした「複業」を通して、eumoが志向する共感資本社会、贈与・循環経済の実現に向けた活動の一翼を担う。
山下梓(やました・あずさ)
非営利株式会社eumo共感コミュニティ通貨eumo事業本部所属。
1994年生まれ。長野県佐久市出身。
2017年、総合リース会社入社。国内のベンチャー投資、海外の債券投資事業に従事。2021年に株式会社eumoに入社。
「eumoを通して出会う素敵な人や会社のストーリーを若い世代に伝えていき、共感の輪を広げていきたい」との思いで日々奮闘中。
自身の出身地である長野県や佐久市のためにも活動をしたいと、地域に関するプロジェクトも「複業」として展開中。