#05 旅人を感動させる「新しい旅」を地方から生み出す

セッション5:旅人を感動させる「新しい旅」を地方から生み出す

10月30日(日) 13時30分〜15時00分
 
新型コロナウイルスの感染症パンデミックは、人びとの移動を困難なものにしました。「ステイホーム」中心の生活の中、あらためて「旅」の価値について考えた人も多いことと思います。また、地方にとっても「インバウンドブーム」が続いていたなか、突然、外国人観光客がゼロとなってしまった状況は、観光業のあり方についてもあらためて考えるきっかけとなりました。
 
「コロナ後」が見え始めた今、「旅」の未来はどのようなものになるのでしょうか。コロナ後にのびてくるであろう「新しい旅のスタイル」とは、どのようなものになるのでしょうか。世界的な潮流を見ていると、人びとは「旅」に対して体験を重視する傾向を見ることができます。 自己変革や自己変容を促してくれるような旅へのニーズは、着実に高まっています。
 
このような「新しいスタイルの旅」を考えるに際しては、その土地ならではの価値が徹底的に問われることになると思います。受け入れの側としても、観光客数という「量」を追求するではなく、旅そのものの「質」を追求する姿勢が求められると言えるでしょう。
 
本セッションでは、 コロナ後の「地域×旅の未来」という視点から、地域が磨き上げるべき本質的価値とは何かという問いに迫っていきたいと思います。
 
【登壇者】
  • 岡本岳大(株式会社wondertrunk & co. 代表取締役共同CEO)
  • 赤沼留美子(株式会社スマイル・ラボ 代表取締役社長)
  • 齋藤忠政(株式会社明神館 代表取締役社長)
 
【ファシリテーター】
  • 山本達也(清泉女子大学地球市民学科教授)
 

岡本岳大(おかもと・たけひろ)
株式会社wondertrunk & co. 代表取締役共同CEO。
2005年博報堂入社。世界17カ国の市場で、観光庁・日本政府観光局(JNTO)のビジットジャパンキャンペーンの 企画・制作を担当。沖縄観光映像「一人旅」でTudou Film Festivalグランプリ、ビジットジャパン韓国で大韓⺠国広告大賞、日本国際観光映像祭で最優秀日本遺産映像賞など、観光インバウンド関連の受賞多数。
2016年、博報堂の旅行・インバウンド専門会社として「日本の地方を世界のデスティネーションにする」ことをミッションに、 wondertrunk & co.(ワンダートランク アンド カンパニー)を設立。
「グローバルPR会社」×「欧米富裕層旅行会社」の 2つの機能を軸に、東京・金沢・五島・米国Los Angelsの拠点と、欧米海外10都市の海外ネットワークメンバーとともに デスティネーション・プロデュース事業を展開している。
観光庁「既存観光拠点の再生・高付加価値化推進事業」専門家、環境省国立公園満喫プロジェクト有識者会議検討臨時委員、観光庁「サステナブルな観光コンテンツ強化モデル事業」委員、など。 国際観光学会会員。

赤沼留美子(あかぬま・るみこ)
株式会社スマイル・ラボ代表取締役社長。
大学卒業後、株式会社ファミリーマートに入社。当時5000店10 万人のパートアルバイト社員のマネジメントシステム(オペレーション・採用・育成・評価のしくみ)づくりプロジェクトに携わる。
お客様に最も近い現場の「オペレーション基準」を土台に育成・評価のしくみを構築し、お客様満足度向上とパートアルバイト社員の満足度向上を同時に図る仕組みの普及に取り組む。
宝飾品販売店、レンタカー、100 円ショップ、葬儀屋、ドラッグストア、飲食店、大学院、リゾートホテル、清掃会社、ガス検針会社、温泉旅館、福祉施設など個店からチェーン店まで幅広く支援している。
「生きるって作ることだ!」をモットーに、衣食住遊、生活にかかわるあれこれ、を自分で作り続ける。2022年には、遊牧民のゲルに泊まりながら、里山で遊び尽くせる宿泊施設「マツモト・サトヤマ・ドアーズ」をオープンさせる。「ゼロをイチにする」ことを楽しみたい家族連れを中心に、好評を博している。

齋藤忠政(さいとう・ただまさ)
扉ホールディングス株式会社代表取締役社長。
扉ホールディングスグループの社長として「地域と一緒に成長する」「地域のモノ・コトを発信していく」を念頭に、飲食から宿泊まで様々な価値を提供し続けている。
「自然を大切」を基本とした活動に尽力。クシマクロビオティックのアドバイザーの資格をもっているシェフによる、地元の野菜を使った料理の提供をはじめ、地産地消にも積極的に取り組む。
また、松本城周辺を盛り上げていくことを目的とした「松本城三の丸倶楽部」にも参画し、松本の地域全体を活性化させていく活動も展開している。

 
山本達也(やまもと・たつや)
ALPSCITY Lab 代表。信州まつもとエリアのデジタル地域通貨AC payコミュニティ・マネージャー。清泉女子大学地球市民学科教授。
慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科後期博士課程修了。博士(政策・メディア)。
「技術と社会変動」に関する政治と政策をテーマに幅広く研究を行う。専門は、国際関係論、公共政策論、情報社会論。
自律・分散・協調型の社会システムにおける中小都市の役割に注目し、テクノロジー(技術)を組み込みながら自然と都市文化とが融合した都市のデザインに関するプロジェクトに取り組む。
20世紀的な大都市の時代は終わりを遂げようとしており、次の時代に面白い都市は、自然環境と都市文化とのミックスこそが重要との信念から、2012年より生活の拠点を長野県松本市に移す。
松本市基本構想2030市民会議座長および松本シンカ推進会議座長、日本工学アカデミー人類未来戦略フォーラム委員、日本学術会議エネルギーと科学技術に関する分科会エネルギーガバナンス小委員会委員品川区環境計画等改訂協議会副会長など。
著書に、『暮らしと世界のリデザイン:成長の限界とその先の未来』など多数。