#03「地域力」でオーバーツーリズムを乗り越える
セッション3:「地域力」でオーバーツーリズムを乗り越える
2024年10月19日(土) 16時00分〜17時30分
「地域の持続可能性」を考える上で、「観光」をどのように地域がマネージするかは極めて重要なテーマです。歴史的な円安もあり、2024年の訪日外国人観光客数は、コロナ前の2019年を超えるだろうと予想されています。この傾向は、ますます加速するとも考えられています。
京都、屋久島、富士山、沖縄などなど、さまざまな場所で、「オーバーツーリズム」が問題となっています。この困難に対して、地域はどのようにして対処していくべきなのでしょうか。「未来の観光」にとって何が大切なポイントとなるのでしょうか。
本セッションでは、「中部山岳国立公園」の中で松本と高山を結ぶ「北アルプストラバースルート」を一つの事例として取りあげ、何が問題となっているか(問題となり得るか)、そこにどう対処しようとしているのかについて、日本の中でも「最先端」に属する取り組みや考え方をご紹介し、地域の未来と観光との関係性について考えていきたいと思います。
【登壇者】
- 齊藤忠政(扉ホールディングス株式会社 代表取締役)
- 中村匠郎(合同会社inari代表/高山市議会議員)
- 山本達也(清泉女子大学学長補佐/教授)
【ファシリテーター】
- 笠井大介(ALPSCITY Lab)
齊藤忠政(さいとう・ただまさ)
扉ホールディングス株式会社 代表取締役
1974年松本市生まれ。2000年、「扉温泉明神館」入社。2016年、「明神館」4代目に就任。2006年、シックスセンス株式会社を設立。2020年、扉ホールディングス株式会社を設立。
観光庁の有識者会議の委員、長野県「おいしい信州ふーど公使」、2016年にはJapan Times「アジア圏で最も期待される次世代リーダー100人」に選出される。
2013年より、ルレ・エ・シャトー 日本・韓国支部支部長。マツモト建築芸術祭実行委員長。扉グループの株式会社明神館、シックスセンス株式会社、扉ホールディングス株式会社の代表取締役を務める。
中村匠郎(なかむら・たくろう)
合同会社inari代表/高山市議会議員
1984年高山市生まれ。米国ゲティスバーグ大学卒業。
地元の高校中退以降、5カ国10年にわたる海外での就学・就職および東京での会社員経験の後、2017年に高山市へUターン。
2018年cup of tea : guesthouse開業。2021年 2号店となるcup of tea : ensembleを開業。
2022年家業である銭湯事業と宿泊事業を合併した合同会社inariを設立し代表に就任。
2023年高山市議会議員初当選。2024年株式会社CoLC顧問就任。
民間事業者として観光産業の再構築、市議会議員として「木のまちづくり」を目指し活動している。
山本達也(やまもと・たつや)
ALPSCITY Lab 代表。清泉女子大学学長補佐/教授。
慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科後期博士課程修了。博士(政策・メディア)。
専攻は、公共政策論、民主主義論、情報社会論など。技術と社会変動に関する政治と政策の研究に関心がある。
20世紀的な大都市の時代から、21世紀的な自然環境と都市文化とのバランスの取れた中小都市の時代がやってくると考え、2012年から家族で生活の拠点を松本市に移す。
ALPSCITY Labを立ち上げ<Digital meets Local>な研究実践を信州まつもとエリアを中心に行う。信州まつもとエリアのデジタル地域通貨AC payコミュニティ・マネージャー。
松本市基本構想2030市民会議(座長)、松本シンカ推進会議(座長)、松本市中心市街地再設計検討会議(座長代理)、品川区環境活動推進会議(座長)、しながわSDGs推進共創プラットフォーム(座長)など。
笠井大介(かさい・だいすけ)
ALPSCITY Lab主任研究員
1979年、静岡県富士宮市生まれ。慶應義塾大学法学部法律学科卒業。
日本経済新聞社にて広告営業の基礎を徹底的に習熟後、メディアでは伝えられない世界の姿をどうしても自分で見たいという思いで一念発起し、Backpackerとして世界を旅する。合計約40カ国を訪問し、世界中の旅人との交流、世界遺産など有名観光地だけでなく田舎の農園での住み込みなど、旅を通じた相互交流の本質を身を持って経験する。
帰国後、博報堂グループにて新聞、テレビ等のマスメディアや、WEB、リアルイベント、店頭など幅広いメディア、手法を活用した広告プロモーションの企画立案、提案営業に従事。
2017年よりwondertrunk&co.に参画し、高付加価値インバウンド着地型旅行商品の企画造成や、その商品プロモーションの実施企画立案とプロデュースを行う。
また環境省、JNTOおよび自治体・DMOに伴走し、仕様書から予算計画案の策定支援や実務における関係者間(地域住民、行政、民間事業者、訪問旅行者等)における細かい合意形成・利害調整を行い、地域内での事業実施の調整役としての役割を担う。
2022年4月、環境省へ入省し、中部山岳国立公園管理事務所利用企画官として松本高山BigBridge構想実現プロジェクトの推進を行う。
2024年3月、任期満了に伴い独立。